鏡じかけの夢

秋吉理香子著 2018年新潮社刊行 初出「小説新潮」(2014年~2017年) 泣きぼくろの鏡 ナルキッソスの鏡 繚乱の鏡 奇術師の鏡 双生児の鏡 最初の「泣きぼくろの鏡」を読んだ時こういう傾向の物語なのかと思った。 好きなタイプの物語で5編ともとても面白かった…

正しい女たち

千早茜著 2018年文藝春秋刊行 初出「オール読物」「小説BOC」「週刊文春」(2016年〜2017年)、 書き下ろし 温室の友情 海辺の先生 偽物のセックス 幸福な離婚 桃のプライド 描かれた若さ 正しいと思ってやっているから怖い。 第三者として俯瞰できないとこう…

デートクレンジング

柚木麻子著 2018年祥伝社刊行 書き下ろし 30代後半女性の物語。 いろいろ人生のステージが変わるにつれて付き合う人も変化していく。 子供の頃からの友人で続く方が珍しいかもしれないよなとちょっと思う。 考え方も変わってくるし、立ち位置も変わってくる…

騙し絵の牙

塩田武士著 写真(モデル)大泉洋 2017年KADOKAWA刊行 初出『ダ・ヴィンチ』2016年 プロローグ 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 エピローグ 表紙の写真の大泉洋を意識した物語。 会話の返しなどは本当に大泉洋っぽい。 こう言われたらこう返すだ…

カットバック 警視庁FCⅡ

今野敏著 2018年毎日新聞出版刊行 初出「毎日新聞」(2017年) 警視庁FCシリーズ 第2弾。 第1弾の内容も忘れているのだけれど「FC」は「フィルム・コミッション」の略。 楠木は第1弾にも登場してたっぽい。 ひとりノリツッコミも第1弾からあるっぽい。 仲…

意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語

氏田雄介 作、佐藤おどり 絵 2018年PHP刊行 54文字で完結する物語。 本当に上手だと思う。 こういうのは短歌や俳句・川柳で鍛えれば書けるようになるのだろうか。 好きなのは「辛い」と「幸せ」の話かな。 いつも自分の幸せを持っていかれてるような気がする…

2019年5月まとめ

読んだ本の数:5冊読んだページ数:1782ページグアムの探偵 3 (角川文庫)読了日:05月28日 著者:松岡 圭祐トリニティ読了日:05月21日 著者:窪 美澄ふたたび嗤う淑女読了日:05月14日 著者:中山 七里わたし、定時で帰ります。 :ハイバー読了日:05月08日 …

コーヒーが冷めないうちに

川口俊和著 2016年サンマーク出版刊行 プロローグ 第一話『恋人』結婚を考えていた彼氏と別れた女の話 第二話『夫婦』記憶が消えていく男と看護士の話 第三話『姉妹』家出した姉とよく食べる妹の話 第四話『親子』この喫茶店で働く妊婦の話 映画化されると聞…

玉村警部補の巡礼

海堂尊著 2018年宝島社刊行 阿波 発心のアリバイ 土佐 修行のハーフ・ムーン 伊予 菩提のヘレシー 讃岐 涅槃のアクアリウム 高野 結願は遠く果てしなく 初出:「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOKなど(2015年~2017年)、書き下ろし 加納&玉…

殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件

清水潔著 新潮文庫刊行 2013年単行本(新潮社)、2016年文庫化 まえがき 第一章 動機 第二章 現場 第三章 受託 第四章 決断 第五章 報道 第六章 成果 第七章 追跡 第八章 混線 第九章 激震 第十章 峠道 第十一章 警鐘 あとがき 文庫版あとがき 間違っているこ…

闇(ダーク)ウェブ

セキュリティ集団スプラウト著 2016年文藝春秋刊行 序章 現実社会を動かすサイバー空間 第1章 サイバー闇市場の実態 第2章 盗まれた個人情報の行方 第3章 サイバー闇市場へのアクセス 第4章 「Tor」と捜査機関の攻防 第5章 最大の闇市場「シルクロード」の黒…

あの夏、二人のルカ

誉田哲也著 2018年角川書店刊行 初出「小説 野生時代」(2017年〜2018年) 第一章 薔薇とギターとストレンジャー 第二章 Fの罠 第三章 わたしの祈り 第四章 二人のルカ 第五章 ゴッド・ファーザー 終章 赤い靴 「武士道」シリーズのような爽やかさ。 10代の時…

祈りのカルテ

知念実希人著 2018年角川書店刊行 初出「小説野生時代」(2014年〜2017年) 彼女が瞳を閉じる理由 悪性の境界線 冷めない傷痕 シンデレラの吐息 胸に嘘を秘めて エピローグ 軽い感じだけど結末に驚く医療ミステリー。 なぜそういう疑問を持ったというところは…

2019年4月まとめ

読んだ本の数:7冊読んだページ数:2174ページ珠玉読了日:04月26日 著者:彩瀬 まるキンモクセイ読了日:04月22日 著者:今野 敏それでも空は青い読了日:04月21日 著者:荻原 浩こちら横浜市港湾局みなと振興課です読了日:04月19日 著者:真保 裕一Tの衝…

極小農園日記

荻原浩著 2018年毎日新聞出版刊行 初出「毎日新聞」「トランヴェール」2008年~2015年、書き下ろし 1章 極小農園日記 Part1 2章 極狭旅ノート 3章 極私的日常スケッチ 4章 極小農園日記 Part2 あとがき イラストが可愛いし、上手。 きっと野菜づくりも年々上…

ツバキ文具店

小川糸著 2016年幻冬舎刊行 初出「GINGER L.18〜21」 夏 秋 冬 春 とてもハートウォーミングで読み心地が良い物語。 いろいろ後悔することが多いけど悔やむのではなく今目の前にあるものを大事することで乗り越えていかないといけないのかな。 失くしたもの…

瑕疵借り

松岡圭祐著 2018年講談社刊行 書き下ろし 土曜日のアパート 保証人のスネップ 百尺竿頭にあり 転機のテンキー 瑕疵物件を借りその瑕疵理由となった事象の本当の隠された事実を洗い出すミステリー。 どの作品も驚く結末。 とても上手な展開である。 生き辛い…

掟上今日子の色見本

西尾維新著 2018年講談社 書き下ろし 序章 黒の誘拐犯 第一話 赤の脅迫電話 第二話 燈の監禁 第三話 黄の問題集 第四話 水の捜索 第五話 青の脱出劇 第六話 藍の取引 第七話 紫の解決編 終章 白の帰宅 あとがき 忘却探偵シリーズ第10弾。 今回は今日子さんが…

今夜、ロマンス劇場で

宇山佳佑著 2017年集英社文庫刊行 書き下ろし 映画の原作。 予告はいっぱい見たけど映画自体は見てない。 とてもロマンチック。 好きな人に触れたくても触れられないのはツラいだろう。 美幸の話し方は綾瀬はるかそのもの。目に浮かぶようだ。 当たり前のこ…

ASK トップタレントの「値段」

新堂冬樹著 2018年集英社刊行 初出「週刊プレイボーイ」2016年~2018年 ずいぶん厚いし2段組だし文字数は多いのだが、ほとんどが暴力と金とエロ。 暴力も金もエロもステレオタイプだし、変化がないので飽きてしまう。 週刊誌連載だから短いスパンでその3要…

駒子さんは出世なんてしたくなかった

碧野圭著 2018年キノブックス刊行 初出 キノブックスWEBマガジン「キノノキ」(2017年) 『書店ガール』シリーズの作者の作品。 出版不況と言われる業界でもあり、その中で女性で出世していく駒子さん。 専業主夫してた旦那さんの仕事復帰もあり働き方に変化し…

引き抜き屋(2)鹿子小穂の帰還

雫井脩介著 2018年PHP刊行 初出「WEB文蔵」2017年 引き抜き屋の苦心 引き抜き屋の報復 引き抜き屋の帰還 『引き抜き屋(1)鹿子小穂の冒険』の続編。 初めてのヘッドハンターの世界にも慣れ、最後にはお父さんにも認められる。 きれいなきれいなハッピーエ…

2019年3月まとめ

読んだ本の数:8冊読んだページ数:2731ページ路上のX読了日:03月29日 著者:桐野 夏生ファーストラヴ読了日:03月28日 著者:島本 理生神のダイスを見上げて読了日:03月25日 著者:知念実希人凍てつく太陽読了日:03月20日 著者:葉真中 顕ツキマトウ 警…

黄砂の進撃

松岡圭祐著 2018年講談社文庫刊行 書き下ろし 『黄砂の籠城』と対になる作品。 中国近代史について知らないことが多いので勉強になる。 解説(末國善己)付き。 西欧諸国や日本から見た義和団事件と中国から見た義和団事件は当然主義主張も違うし正義も変わっ…

護られなかった者たちへ

中山七里著 2018年NHK出版刊行 初出「河北新報」など連載(2016年〜2017年) 一 善人の死 ニ 人格者の死 三 貧者の死 四 家族の死 五 恩讐の果て 自分もいつ同じような状況になるか分からないし、 不安もあるので読み終わってもドキドキと落ち着かない。 声の…

ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで 万両百貨店外商部奇譚

真梨幸子著 2018年幻冬舎刊行 初出『ポンツーン』『小説幻冬』 「あなたがお望みのものは何でも」改題加筆修正 Introduction 第一話 タニマチ 第二話 トイチ 第三話 インゴ 第四話 イッピン 第五話 ゾンビ 第六話 ニンビー 第七話 マネキン 最終話 コドク 外…

魔力の胎動

東野圭吾著 2018年角川書店刊行 初出「小説野性時代」(2015年〜2018年)、書き下ろし 第一章 あの風に向かって翔べ 第二章 この手で魔球を 第三章 その流れの行方は 第四章 どの道で迷っていようとも 第五章 魔力の胎動 『ラプラスの魔女』の前日譚。 映画公…

オリンピックへ行こう!

真保裕一著 2018年講談社刊行 初出「小説現代」(2017年) 卓球 競歩 ブラインドサッカー 「卓球」については試合中の心境などとても興味深かった。 卓球とは、百メートル走しながらのチェス というのも納得。 また、 日本では特に女子が際立っていて、ランキ…

ノーマンズランド

誉田哲也著 2017年光文社刊行 初出「小説宝石」(2016年〜2017年) 姫川シリーズ待望の長編。 最後の方の憲法改正に関する主義主張の表明以外は姫川玲子っぽくて面白かった。 事件に関わる拉致問題に触れるのも良いけど、大きく事件に関わるわけでもない主義主…

引き抜き屋 (1)鹿子小穂の冒険

雫井脩介 2018年PHP刊行 初出「WEB文蔵」(2016年〜2017年) 引き抜き屋の代理 引き抜き屋の微笑 引き抜き屋の冒険 ヘッドハンターの世界の物語。 無理やりこの世界で働くことになった小穂の成長物語でもある。 “リストラ屋”と影で言われる男性がカッコ良い。 …