正しい女たち

千早茜著 2018年文藝春秋刊行
初出「オール読物」「小説BOC」「週刊文春」(2016年〜2017年)、 書き下ろし

  • 温室の友情
  • 海辺の先生
  • 偽物のセックス
  • 幸福な離婚
  • 桃のプライド
  • 描かれた若さ

正しいと思ってやっているから怖い。
三者として俯瞰できないとこうなってしまうのかなと思った。
「温室の友情」は友達のためにやっているかと思ったら、

女の友情はもろいから、ちょっとした環境の違いでひびが入るから、こうやって同じように進んでいくのが一番正しい道。
そうしなきゃ、一人ぼっちになってしまうから。

という結末。
結局自分のための正しいという免罪符をつけているのか。
「桃のプライド」は正しくないのではと不安になる気持ちを抑えて正しいと信じているのがよく分かってしまう。

でもね、がんばっているよ。
これでも、あたしなりにがんばってきた。
誰かの特別になるために。

こう考えないと自分が崩壊してしまう。
自分に重ね合わせるととても怖くなる短編集。

正しい女たち

正しい女たち

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