ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで 万両百貨店外商部奇譚

真梨幸子著 2018年幻冬舎刊行
初出『ポンツーン』『小説幻冬』
「あなたがお望みのものは何でも」改題加筆修正

  • Introduction
  • 第一話 タニマチ
  • 第二話 トイチ
  • 第三話 インゴ
  • 第四話 イッピン
  • 第五話 ゾンビ
  • 第六話 ニンビー
  • 第七話 マネキン
  • 最終話 コドク

外商部モノでは『上流階級 富久丸百外商部』(高殿円)がある。
内容は似ていて無理な顧客の要求にどう応えていくかではあるが、
この作品では真梨幸子らしく登場人物が多すぎて誰が誰だかわからなくなる。
最後の方はホラーでもありミステリでもあり...
「ニンビー」が一番おもしろかった。
“ニンビー”とは『迷惑施設』『嫌悪施設』とかの呼称らしく
自分の家の近くにあったら嫌な施設を言うらしい。
自分の家を“ニンビー”扱いされた子供が大人になってから
“ニンビー”扱いした人たちを“ニンビー”扱いするところがなんとも言えない。

このマンションの住人に、ずっとずっと不快な思いをしてもらうためですよ。
私たち家族は、ここの住人に“不快”だ“不快”だと言われてきたんです。
それならば、もっともっと不快な思いをしてもらおうと思ったんです。
…でも、今となっては、そんな必要もありませんね。
だって、このマンション自体が、“ニンビー”になってしまったんですから

復讐達成である!

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