駒子さんは出世なんてしたくなかった

碧野圭著 2018年キノブックス刊行
初出 キノブックスWEBマガジン「キノノキ」(2017年)
書店ガール』シリーズの作者の作品。
出版不況と言われる業界でもあり、その中で女性で出世していく駒子さん。
専業主夫してた旦那さんの仕事復帰もあり働き方に変化していく。

主婦は家事能力が高くても低くても、報酬や待遇に変化はないのだ。
会社で実績を上げるより、主婦として高いレベルでパフォーマンスを続けることの方がはるかに難しいんじゃないだろうか。

と考えていて主婦能力の高い旦那さんに依存していた駒子さん。
すっかり考え方は会社人間、以前のお父さんと一緒だ。
それでも旦那さんに気付かされ、子供に気付かされ、徐々に良い方向に向かっていく。
読み心地の良い物語。
幸せには夫婦のそして家族の協力が必要なのである。

褒められる時は、出し惜しみせず褒める。
それが相手をご機嫌にするいちばんの秘訣だ。

人は育つのに時間が掛かる。
経験することでノウハウも積み重なっていく。
そういう人間をいかに大事にするか、
そういう人間がいかに働きやすい環境にするか、
それを考えるのが、あなた方の仕事。

というような言葉がとても心に残った。

駒子さんは出世なんてしたくなかった

駒子さんは出世なんてしたくなかった

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