棲月 隠蔽捜査7

今野敏著 2018年新潮社刊行
初出「小説新潮」(2016年〜2017年)
隠蔽捜査シリーズ第7弾("x.5"は除く)。
相変わらずの竜崎で安心して読むことが出来る。
今回はネット犯罪であり、竜崎世代では理解の範疇を超えるかもしれないが、
それすらも原理原則に従い解決へ導いていく。
そんな竜崎も大崎署の署員たちに触発され徐々に人間味を増してくる。
竜崎は「だめになったかも」と思ったりするが、
冴子さんの「大森署があなたを人間として成長させたの」という言葉に気付かされたりする。
最後の大森署を去るシーンでちょっと涙が滲んでしまった。
以下の言葉などがとても心に残った。

どこにいても、能力を最大限に発揮するように努力するだけです

夢なんて簡単に叶うものじゃない。
だが、望まない限り叶わないというのも事実だ。
いろんな人の夢の総和が未来なんじゃないか

そのほんの一握りになればいい

次は神奈川県警での活躍に期待する。
とても面白かった。

棲月: 隠蔽捜査7

棲月: 隠蔽捜査7

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