霧 ウラル

桜木紫乃著 2015年小学館刊行 初出「STORY BOX」(2014年〜2015年)
重苦しい雰囲気はいつものこと。
相羽や木村が何を考えているのか分からないところ、
珠生の晴れぬ心情など、
このタイトル『霧』というのがとても良く表している。
また、智鶴が何を目的としているのか予想できないところも先が見えない深い霧のようだ。
そんな雰囲気で物語は進むが桜木ワールドはクセになる。
これは自分の気持ちと似ているからなのかな...

男たちの動きは表向き、立場に忠実で無駄がない。
目的が大きいからこそ、裏側で細かな細工をしている女の指先にまで気が回らない。

相羽に必要とされることが何にも代えがたい喜びになった。


抱き合えぬのなら、一緒に闘うしかないのだろう。

というような言葉がとても印象に残った。
とても面白かった!

霧 ウラル

霧 ウラル

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