その先の道に消える

中村文則著 2018年朝日新聞出版刊行
初出「小説トリッパー」(2015年〜2018年)

  • 第一部
  • 第二部

やはり中村文則作品はとても難解だ。
理解の範疇を超えると表面的な部分だけ追ってしまう。

緊縛は女性と縄師のコミュニケーションですから。
勘違いしてる人が多いのですが、基本的には、女性が縛って欲しいところを感じて縄師が縛っていく。
責め縄をしなければ痛みもない。
緊縛とは、ある意味女性を強く抱きしめることですから。

縄師は女性が縛って欲しいところ、次に縛られるだろうと予感しているところの、少し先をいって女性に驚きを与えなければなりません。
…女性に驚きを与え、安堵の外、浮遊感の中にいてもらわなければいけない。
でもその驚きがあまり女性から離れてしまうとエゴになってしまう。
…彼には、それを感じ取る才能がなかった。
もちろん、これは男女逆でも同じです

という描写が印象に残った。
縄師と女性の関係は他のあらゆる関係に通じるところがあるような気がする。
こういうことを考えてコミュニケーションを取らないといけないのだろう。
この作品で読み取るべきところはここではないように思うけど...
@2018年@図書館