陽気なギャングは三つ数えろ

伊坂幸太郎祥伝社文庫刊行
2015年ノン・ノベル新書判 2018年文庫化

  • 第一章 悪党たちは久々に銀行を襲い、小さな失敗をきっかけにトラブルに巻き込まれる。いつものこと。−おとなしくできないなら、せめて気をつけてやれ。
  • 第二章 悪党たちは降りかかる火の粉を払うため、何が起きているのか探るが、払えば払うほど火の粉がまとわりつく。−眠っている犬はできるかぎり寝かせておけ。
  • 第三章 悪党たちは事件の構図に気づくが、相手の後手に回る。−1インチ与えれば1ヤード取られる。
  • 第四章 悪党たちは別の悪党から逃れるために必死に行動するが、予定通りに物事が進まない。−計画を立てるのは人たが成敗するのは天だ。

新書版でも読んでいるので再読。
やっぱり伏線の回収が気持ち良い。
解説「奇想と技巧を極め尽くした当代随一のストーリーテラー」(日下三蔵)で

伊坂幸太郎が凄いのは、トリッキーなエンターテインメントとしてのミステリを書き続けたまま、これだけの人気作家になっていることで、そうした前例は宮部みゆき東野圭吾など、ほんの数人しか思いつかない。

と言っているが全くそのとおり。
これだけの発想力と構成力そして何より表現力は才能だけなんだろうか?
それらを許容する膨大なキャパシティがないと無理なような気がする。
そういうのも才能の一つか...
こういう面白くて気持ち良い作品をもっと読みたいので続編を期待しているのだが...
@2019年@図書館