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湊かなえ著 2018年角川書店
初出 神戸新聞等(2017年〜2018年)

青春爽やか系物語。
湊かなえなので最後にひっくり返されるかと思って読み進めたけど大丈夫だった。
新聞連載ということでいじめなどの問題に対する一つの対応例を提示しているのかなと思う。

無視より、お母さんをガッカリさせたことがつらかった。
だから、まあ同じ目に遭ったとしても、今度は絶対、誰にも気付かれないようにするって決めた
家族仲がいいほど、家族のことを好きなほど、心配かけたくないよね

親は、子どもの気持ちに気付いてあげられないことが一番つらいのよね

子の気持ち、親の気持ちがよく分かる。
子供を助けてあげられないことほど親が無力感を感じることはない。

人が一生懸命に取り組んでいるものを笑ったり、悪口を言ったり、無視をしたり、失礼なあだ名で呼んだり。
そんなくだらない会話に加わるぐらいなら、嫌われる方がましだ

これを言い切れる強さを持ちたい。
居場所が二つ以上あればなんとか切り抜けられる。
学校、部活、街クラブ、地域サークルなどなど。
そういうのがとても大切だと思う。

傘をさして屋上から飛び降りようとしているヤツを、眺めているような、感覚かな?

だけど、飛ぼうとしている側は、本当にできるって信じてるんだ。
周りを気にしちゃ何もできない。
憧れの世界に行けるなら、オタクで上等!っていうふうに

これもまったくそのとおりだと思う。
極めること信じることが大切であり、それをしない人たち、出来ない人たちが笑うなんて恥ずかしいことだ。
とてもとても良い作品。良かった!
@2018年@図書館