盤上の向日葵

柚月裕子著 2017年中央公論出版社刊行
初出『読売プレミアム』(2015年〜2017年)
孤狼の血』と同様に骨太な作品。
とても読み応えがある。
しかも今話題の将棋の世界を描いていて先見性があるなぁと感心するばかり。
ハードボイルドでとてもカッコ良い。
とても興味深い描写の連続ではあるが、
幼少期を描いた前半の丁寧さに比べると
成年期を描いた後半の駆け足感が少し残念。
十分に面白いけど。

子供のころ親から邪険にされて育つとよ、目が笑わなくなるんだ。
目ん玉のなかによう、世間さまへの妬み、嫉み、恨みが、詰まっちまってる。
笑おうにも、笑えねえんだよ。
愛情ってやつを知らねえから、他人を信用することもできねえ。

という言葉が印象的。
これも映画化されるのかなぁ。

盤上の向日葵

盤上の向日葵

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