万能鑑定士Qの最終巻 ムンクの〈叫び〉

松岡圭佑著 2016年講談社文庫刊行 書き下ろし
探偵の鑑定Ⅱ』で別れることになった小笠原と莉子だけど、今回無事ハッピーエンド。
こうなるだろうと思っていたけど、安心した。
解説(吉田大助)でも言っているように

冒頭で読者の予想を大きく裏切りなから、ラストでは読者の期待に100%応える。
有終美とは、この小説のことだ。

読者の期待に応えてくれた。
途中の謎解きゲームの部分は全然理解できなかった。
でも、オールスター勢揃いだし、まあいいかと思った。
クリティカル・シンキングという新しい考え方が登場。
これは『水鏡推理』で披露する考え方でいいのだろうか?

ロジカル・シンキングとラテラル・シンキング、両者のあいだを埋めるクリティカル・シンキングが必要になる
批判的思考と呼ぶ人も多いが、その名称は否定から入る思考という誤解を生みがちなので適切でない。
あらゆる物事の問題を特定し、正確に分析することにより、最適解にたどり着く思考法だ。
三つの思考がすべて揃えば、推理というものが可能になる

シリーズは『水鏡推理』に継承されていくようだ。

「人が死なないミステリ」の看板は名実共に、『万能鑑定士Q』から『水鏡推理』へと継承された。
だから、悲しみは抱いても、惜しまなくていい。
終わるから、また始められるのだ。

なるほど!終わるから始められるのか!

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