人魚の眠る家

東野圭吾著 2015年幻冬舎刊行

  • プロローグ
  • 第一章 今夜だけは忘れていたい
  • 第ニ章 呼吸をさせて
  • 第三章 あなたが守る世界の行方
  • 第四章 本を読みに来る人
  • 第五章 この胸に刃を立てれば
  • 第六章 その時を決めるのは誰
  • エピローグ

子供の臓器移植および脳死について。
ミステリー要素はなく、問題提起とそれに対する考え方が示されている。
自分が植物状態になった場合はすぐにでも臓器を移植してくれて良い。
ただ、それが自分の子供だったら、果たして同じように思えるか。
無理だろうなと思う。
どうにかして助けたいし、自分の子供だけは目を覚ましてくれるのでは、
奇蹟が起こるのではと期待してしまうだろう。
経済力がないので、本書で表されているような処置は出来ないと思うけど。

この世には狂ってでも守らなきゃいけないものがある。そして子供のために狂えるのは母親だけなの

この世には、意思統一をしなくていい、むしろしないほうがいい、ということがあると思うのです

というような言葉がとても印象に残った。
脳死を死として扱ってくれて、親は国に文句を言いながらも移植に踏み切るというのが良いのかなと思う。
どうしようもない無念さをどこかにぶつけたくなるだろうし、それを国が受け止めてくれると楽になるかも。

人魚の眠る家

人魚の眠る家

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