桜の下で待っている

彩瀬まる著 2015年実業之日本社刊行
初出「紡」「月刊ジェイ・ノベル」(2014年〜2015年)および書き下ろし

東北新幹線に乗ってそれぞれの用事で東北へ向かう人たちを描いている。
最後の「桜の下で待っている」は車内販売の女性の物語。
モッコウバラのワンピース」が一番好き。
心に染み入る言葉の数々。

女はそのままでかわいいわけじゃないから、お前を喜ばせたくてかわいくしてるんだよ


なるべく一緒にいた方がいいと思う。
だって、心配だ。
色んなことが心配だ!
自分らにとって世の中は怖いことや知らないことばかりだ。


湧き上がる心配を飲み下し、なるべく一緒にいて、馬鹿みたいに明るい話をたくさんしようと、思う。


五年間、ばあちゃんにたくさんワンピースを着せて、色んな所に連れ出してくれたんだ。
礼を言いたいくらいだよ

帰るところを持つこと大事なんだなぁと思う。

桜の下で待っている

桜の下で待っている

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