静おばあちゃんにおまかせ

中山七里著 2012年文藝春秋刊行
テミスの剣』に登場した静おばあちゃんの短編集。

  • 第一話 静おばあちゃんの知恵
  • 第二話 静おばあちゃんの童心
  • 第三話 静おばあちゃんの不信
  • 第四話 静おばあちゃんの醜聞
  • 第五話 静おばあちゃんの秘密

「第四話 静おばあちゃんの醜聞」が『テミスの剣』のあらすじになっているのか!こういう構成もとても面白い。
事件自体は突然解決したりして短編っぽい感じ。説明には納得するけど、あれしかない情報だけでそこまで察するのはあり得なすぎ...と思ったけど、最後を読んで納得した。とても驚いた!それだけでそこまでの疑問は吹っ切れたような気がする。
静おばあちゃんの言う

裁きというのは何も法廷だけで執行されるものでもないのですよ。
裁きはどこにでもあります。あなたの職場にも、家庭にも、そして社会にも。
裁かれないからといって、実刑がでなかったからといってお日様の下を堂々と歩けると思ったら大間違いです。


あなたにも犯罪を憎む気持ちと正義を尊ぶ心があるはずです。
まだ間に合うんですよ。
今からでも罪を認めて、自分を罰しなさい。
他人からではなく自分で罰することは困難を極めるでしょう。
でもそれをした時、あなたは初めて自分を赦すことができると思います

という言葉が印象的。これが贖罪なんだろう。
面白かった。

静おばあちゃんにおまかせ (文春文庫)

静おばあちゃんにおまかせ (文春文庫)

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