連続殺人鬼カエル男ふたたび
中山七里著 2018年宝島社刊行
初出『このミステリーがすごい!』大賞作家書き下ろしBOOK vol.13.vol.15〜18(2016年〜2017年)
- 一 爆ぜる
- 二 溶かす
- 三 轢く
- 四 破砕する
- 五 裁く
『連続殺人鬼カエル男』の続編。
前作の詳細は覚えてないけど残酷描写が過激だったのはとてもよく覚えている。
本作品でも残酷描写が強烈で痛みとか恐ろしさとかが紙面から猛烈に伝わってくる。
犯人は最後まで騙されていた。
後から読み直してみれば確かに曖昧に表現している部分だなと分かる。
伝染病の恐ろしさはその症状にあるのではない。
感染する速さと範囲だ。
仮に死亡に至る疾病であろうが、我が身には及ばないという保証がある限り人は平静を保っていられる。
しかし、自分にも感染の危険が及ぶのを知った途端に慌て出し、避難場所を求め、退路を奪い合い、ワクチンに殺到する。
他人事であれば冷静でいられるけど自分に関わるとなった途端にパニックになるのはよく分かる。
自分に関わるというのが例えば半径10メートルの人と半径100メートルの人がいるわけで、
敏感な人ほど先にパニックになるのかなと思う。
正しい情報と正しい対処を知っておくことがとても大切だと思う。
@2018年@図書館