八月十五日に吹く風

松岡圭祐著 2017年講談社文庫刊行 書き下ろし
キスカ島からの大規模撤退作戦についての物語。
南方の島のことや大陸での出来事などは聞いたことがあるが、
この北方の島での出来事は全然聞いたことがなかった。
脱出を成功させるために奇蹟を起こすのではなく
成功を必然とするのが作戦であり、
そういう作戦を立案できるのが優秀なリーダーなんだろうなと思う。

言いわけしないで生きることが、本当の強さかもな。

道具を作れても人間は作れん

というような言葉がとても心に残った。
大事な人を守るために戦うことは必要だと思う。
解説(縄田一男)の最後の主張は蛇足であり、不必要なものだと感じた。
とても良い作品なのに解説の主張で読後感が悪くなった。
もったいない。

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