黄砂の籠城(上)

松岡圭祐著 2017年講談社文庫刊行 書き下ろし
義和団事件」「義和団の乱」という1900年北京で起きた事件を基に書かれた物語。

この小説は史実に基づく

1900年、明治33年。北京−
この物語の登場人物は実在する。

とあるので本当にあった事件のようである。
いつもの松岡圭祐作品とは趣が違うので少し読みづらいが
徐々にペース、背景、言葉遣いが分かってきて面白くなってくる。
果たして逃げ切れるのか。助けに来てくれるのか。
Wikipediaを読んでしまったので結果は分かっているわけだが...
柴五郎中佐がどのようにこの苦境を乗り越えるのか楽しみ。

戦をするなら勝て。
官軍になれ。
賊軍は貶められる運命だ。
官軍は戦を正当化する。
賊軍は信念を誤り滅ぼされるべき者たちだった、そう烙印を捺される。
だから勝て。
しかし万が一にも、敗北に至った場合は…

生き延びろ。そして誇りを忘れるな。自分のなかにある真実を、戦場から持ち帰れ

という言葉を覚えておこう。

黄砂の籠城(上) (講談社文庫)

黄砂の籠城(上) (講談社文庫)

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