翼がなくても

中山七里著 2017年双葉社刊行
初出「小説推理」(2015年〜2016年)
途中でなんとなく仕組みが分かってしまうけど、とても感動して読めた。
父親の沙良に対する

自分をこれ以上、嫌いになるな
道を間違える人間は、大抵自分の感情に負けて、昏い心に食い潰されていく

という言葉に涙した。
自分が同じ立場になったら言えるだろうか。
一緒に泣き喚くことしか出来ないような気がする。
(ちなみに「昏い」は「くらい」と読む。)
御子柴の

軽々しく他人の不幸を口にするな。
軽はずみな同情と軽はずみな虐待は、根が同じだというのを知らないのか

は忘れずに心にしまっておこう。
沙良の未来が少しでも上向きになることを願わずにはいられない。

翼がなくても

翼がなくても

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