眠れない夜は体を脱いで

彩瀬まる著 2017年徳間書店刊行
初出「読楽」(2013年〜2016年)

  • 小鳥の爪先
  • あざが薄れるころ
  • マリアを愛する
  • 鮮やかな熱病
  • 真夜中のストーリー

彩瀬まるが描く描写はとても心に沁み入るし、とても好き。
今回は「小鳥の爪先」「マリアを愛する」が好き。
特に「マリアを愛する」が好き。
この不思議な幽霊がとっても可愛い。

きっとこの奇跡は、一人ぐらい、本当の自分を伝えて、それでも手をつないで歩いてくれる人を見つけなさいってことだったんだ

手をつなぐ、手を見るということが思いを伝える手段となるのだと思う。
「鮮やかな熱病」の終わり方も結構好き。

愛情や欲情だけでなく、友情も欲しいんです。
男の人ともっともっと仲良くしたいし、交わりたい。
性別や社会の仕組みで真っ二つにされたくない。

これは本当にそう思う。
性別、年齢、国籍などに左右されずに必要な能力で判断する力を持ちたいし、
自分の属さないカテゴリーの人々には持って欲しいと思う。
とても素敵な短編集、大好き。

眠れない夜は体を脱いで (文芸書)

眠れない夜は体を脱いで (文芸書)

@2017年@図書館