掟上今日子の遺言書

西尾維新著 2015年講談社刊行 書き下ろし

  • 第一章 入院する隠館厄介
  • 第ニ章 依頼する隠館厄介
  • 第三章 案内する隠館厄介
  • 第四章 拝聴する隠館厄介
  • 第五章 待機する隠館厄介
  • 第六章 対面する隠館厄介
  • 第七章 再訪する隠館厄介
  • 第八章 質問する隠館厄介
  • 終章 執筆する隠館厄介

忘却探偵シリーズ第4弾。
今回は厄介復活&長編なわけだが、事件は解決したのだろうか?
作品が関係したかどうかという点ならば解決したようにも思えるけど、
推理が真実なのかどうかは結局分かっていないような気がする。
ま、そういうのは置いといて、今日子さんを楽しむものだと思うけど。
チラリズムっぽいのもあり想像力と表紙の絵からとても楽しめると思う。
分析されることを嫌う、自分のことを勝ってに語られるのを嫌う、
どんな人間で、何を考え、何がすきなのかを他人に知られるのを嫌うというのはとても理解できる。
そんなに単純じゃないよ...単純化しないでくれ...と思ってしまう。
現実的にはネットの検索結果でほとんど丸裸にされているのは分かっているけど...

人の命さえ奪いかねないような絶対的な影響力が、
自分の作品にはあるのだという危うい妄想は、
悪夢ではあるが、
ならば夢でもあるだろう
−物語は、人を生かしも殺しもするという夢。

これに取り憑かれるのはとても恐ろしいことがする。
最後の

飛び降りを防ぐための方法は、屋上に柵を作ることじゃない。
落ちたら痛いと、ちゃんと教えてあげることなのだ。

というのが救いのような気がする。
今回のは“死”について、“死ぬということ”について再度考えてしまう作品だと思う。
次も読もう!

掟上今日子の遺言書

掟上今日子の遺言書

@2016年@図書館