私にふさわしいホテル

柚木麻子著 新潮文庫刊行
2012年単行本(扶桑社)、2015年文庫化

  • 第一話 私にふさわしいホテル
  • 第ニ話 私にふさわしいデビュー
  • 第三話 私にふさわしいワイン
  • 第四話 私にふさわしい聖夜
  • 第五話 私にふさわしいトロフィー
  • 第六話 私にふさわしいダンス

石田衣良の解説「作家はきれい、作家はきたない」付き。
主人公の加代子は著者・柚木麻子をベースにしてるのか。
解説に書いてあるように

この本は、現在人気急上昇中で精力満点の作家・柚木麻子が、身も蓋もなく作家と本の世界の暗黒面を描いた作品だ。
格調高い出版界と一見優雅そうな作家の生活の裏側を覗き見たい人には、格好のお奨めである。

である。
パワーのある作家の話はとても面白い。
最後の言葉、

平成の作家に圧倒的に欠けているものはきっと執念とハッタリ。
そして最も大切な、己の力で取り戻すイノセンス
これから先、何度でも彼女はそれを失い、そして手にするのだろう。

というのがとても印象的。
執念とハッタリ、イノセンス(無邪気・純情)とルサンチマン(恨み・鬱憤・コンプレックス)が作家の物語を作り出すパワーとなるのだろう。
とても面白かった!

私にふさわしいホテル (新潮文庫)

私にふさわしいホテル (新潮文庫)

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