リセット

垣谷美雨著 2008年双葉社刊行 書き下ろし
今の人生に不満を持つ女性三人が30年前に戻り、人生をやり直すが、結局、今の人生に自ら戻ってしまう。
ただ、やり直しを経験した結果、今の人生の不満を少しでも解消しようと自ら行動することにより、少しずつ良い方向に変化が起きてくる。
自分も人生をやり直したいとよく思う。
ただ、今の経験、知識を持ってやり直しをおこなわないと、きっと同じ人生の繰り返しになるのは予想がついている。
しかし、今の経験、知識を持ってやり直しをおこなうと、今の人生とやり直しの人生を比較してしまい、今の人生へ戻りたくなるんだろうなということに気付かされた。
つまり、今の人生の不満をやり直しで解消するのではなく、自分の考え方、行動を変化させ、これからの人生をより良く変化させることが最も合理的に幸せなのかもしれないと思った。
以下の部分が印象に残った。

保育園の送り迎えじゃなくて、老人介護だったらどうなんの?
うちの部にも四十、五十を過ぎても独身で自宅通いの男性社員がたくさんいるじゃない。
彼らもそろそろ親の介護が始まる年齢だよ。
介護休暇や時短勤務がないと困るんじゃない?
子育てみたいに区切りがいつになるかわからないから、もっと会社に迷惑かけるかもね

子育て世代の時短勤務を認めない層はきっと介護世代の時短勤務も認めないのだろう。
きっと同じように苦労するのに。

リセット (双葉文庫)

リセット (双葉文庫)

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