夜の国のクーパー

伊坂幸太郎創元推理文庫刊行 2012年単行本、2015年文庫化
あとがき文庫版付記と解説「敗戦と占領をめぐる緊迫の物語(松浦正人)」あり。
単行本でも読んでいるので再読。
何となく覚えているけどあまり覚えてなくて、そのおかげでとても楽しく読むことができた。
敵国について、大国について、巨人について、猫と鼠について、それぞれいろいろ思い浮かべるモノがある。

どんなことでも人間は怒る


国王が代われば、その集団の態度は変わる。
為政者が代われば、方針も変更される


国王が、国をまとめるためのこつを知っているか
外側に、危険で恐ろしい敵を用意することだ

これらは今の日本、世界情勢を思い浮かべると想像できることが多々ある。
そして

そうはいっても俺の言葉を鵜呑みにする必要はない
何が正しくて、何が誤っているか、自分で判断しろ
それが重要だ

というのが一番大事。
テレビ、新聞など偏向報道のひどいマスコミに誘導されることなく、
ネットなどの極論に煽られることなく、
自分で考えることが今とても大切なのであろう。
これもあれも伏線だったのかという仕掛けがとても楽しい。
面白かった!

@2015年@図書館