ラプラスの魔女
東野圭吾著 2015年角川書店刊行 書き下ろし
こういう不思議な力は『虹を操る少年』っぽいのかなと思って読み進めてた。さらに脳科学について話が進むと『変身』なんかも思い出したし。そんな既視感を持ちながら読んでいたけど、最後の
この世に存在意義のない個体などない。
ただの一つとして
というところでこれを言いたかったかなと確信。
その前の
世界は一部の天才や、あなたのような狂った人間たちだけに動かされているわけじゃない。
一見何の変哲もなく、価値のなさそうな人々こそが重要な構成要素だ。
というところは政治と市民に置き換えられるかもしれないし。
伏線が最後にすっと回収されてとても面白かった。
無意識のうちに、自分にとって楽な方法、得な道を選んでいるにすぎない。
個人個人は自由な意志で動いているつもりでも、
人間社会という集合体として見た場合には、
その挙動を物理法則に当てはめて予測することはさほど難しくない
という部分は煽動される大衆のことを言っているんだろうな。もっと考えて、自分の頭で考えて、マスコミ、ネットの情報にだまされないようにしないといけない。そんな風に思った。
とっても面白かった。
- 作者: 東野 圭吾
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2015/05/15
- メディア: 単行本
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