刑事のまなざし
薬丸岳著 2011年講談社刊行
初出「小説現代」2006年〜2009年、書き下ろし
- オムライス
- 黒い履歴
- ハートレス
- 傷痕
- プライド
- 休日
- 刑事のまなざし
各短編で一つ一つ事件を解決しながら、全体で大きな事件を解決する。(『新参者』形式と言っていいのかな?)夏目が何でも見抜いていてちょっとスーパーかもしれないけど、とても優しさが溢れているので嫌味はあまり感じないし、軽いどんでん返しもあるのですぐに先を読み進めたくなる。ただ、一つ一つの事件が虐待や性犯罪だったりするので、そこのところはちょっと読後感が悪かったりする。「オムライス」の読後感はとても気分が悪い。「傷痕」も「刑事のまなざし」も気分悪い部分あり。
「ハートレス」の
自分が何のために頑張って、何のために生きているのか。
でも、マサさん−
踏ん張りましょうよ
という言葉はとても心に残る。
また、「刑事のまなざし」の
家族が犯罪の被害に遭った者にとって
犯人に望むことは刑務所に行くことや重罰にかけられることだけではない。
自分が犯してしまった罪の意味を一生噛み締めること、
そして痛みを感じ続けること…
それを望むんだ
は一生贖罪し続けなければならないことをよく表していると思う。
椎名桔平主演でドラマ化されていたのか...見たかった...
続編もあるらしい。急いで読まないと!
- 作者: 薬丸岳
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