虚像の道化師

東野圭吾著 2015年文春文庫刊行

  • 第一章 幻惑す まどわす
  • 第ニ章 透視す みとおす
  • 第三章 心聴る きこえる
  • 第四章 曲球る まがる
  • 第五章 念波る おくる
  • 第六章 偽装う よそおう
  • 第七章 演技る えんじる

単行本『虚像の道化師』(2012)、『禁断の魔術』(2012)の短編を再編集。
湯川先生の

誰も思いつきだけで答えを出そうとは思ってませんよ。現象を分析するには、すべての可能性を探る必要がある。つまり誰かがアイデアを出した場合には、とりあえずはそれを尊重しなければならない。検証することもなく、ただ自分の考えや感覚と合わないからというだけの理由で人の意見を却下するのは、向上心のない怠け者のやることだ

人の意見に耳を傾け、自分のやり方や考え方が正しいのかどうかを常にチェックし続けるのは、肉体的にも精神的にも負担が大きい。それに比べて、他人の意見には耳を貸さず、自分の考えだけに固執しているのは楽だ。そして楽なことを求めるのは怠け者だ

という言葉は本当に好きだ。
実際の仕事でも自分の意見が通らなくなると大声で相手を否定してくる人がなんと多いことか...こんな人たちは考える事を放棄した怠け者だ。

犯人の気持ちを、です。正確にいうと、人を殺した気持ちを、です。
本当の演技。殺人犯という役を、ぎりぎりの緊張感の中で演じてみたかったんです。だってこんな機会は、もう二度とないと思いましたから

犯罪に手を貸す理由がこういうのは怖い。
自分の気持ちに正直で正しいと思っているし。
『禁断の魔術』の文庫版は加筆修正してあるらしいし早く読まないとなぁ〜

虚像の道化師 (文春文庫)

虚像の道化師 (文春文庫)

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