それを愛とは呼ばず

桜木紫乃著 2015年幻冬舎刊行 初出「日刊ゲンダイ」「釧路新聞」など加筆・修正
最終章の展開についていけず、どこか飛ばしてしまったのかと不安になった。検事の「僕たち法律家は、それを愛とは呼ばないんです」という言葉があるが、それではいったいなんなんだろう?「愛」と思ってやった行為、行動は第三者から見れば自分勝手なことなのか。その思い込みが強ければ強いほど第三者から見ると不可解な行動も肯定してしまうのか。それが相手の生命を奪うことでも。そういうことなのかな?なかなか理解しづらい物語であったのは確か。桜木紫乃ワールドが大好きな自分にはちょっと悲しい。途中まで、最終章の前までは引き込まれる展開であったのに...
本筋とは関係ないけど

後悔するくらいなら、傷つくことを承知で会ってみたらいいんじゃないですか。
人には次の出会いもあるのだし、なんでも経験だと思いますよ。
口に出すくらいだから、もう心は決まっているでしょうしね。
責任のない人に背中を押してもらうことも、ときには大切なんでしょう

という言葉が印象に残った。

それを愛とは呼ばず

それを愛とは呼ばず

@2015年@図書館