かばん屋の相続

池井戸潤著 2011年文春文庫刊行 初出『オール読物』(2005年〜2008年)
銀行員を主役とした短編集。解説(村上貴史)あり。

  • 十年目のクリスマス
  • セールストーク
  • 手形の行方
  • 芥のごとく
  • 妻の元カレ
  • かばん屋の相続

「妻の元カレ」のラストが描かれてないのだけれど、とても気になる。爽快な終わり方でない話もあるので、きっとハッピーエンドではないんだろうな。

こんな私でも、必要とされてるのよね
オレだって、お前のこと必要としてるんだよ

もっと早く妻と向き合ええば良かったのにと思うけど、なかなか言い出せない気持ちも良く分かるので胸が痛くなる。
「芥のごとく」も最後がスッキリしない。スッキリさせないのはきっとハッピーエンドではないんだろう。最後に逆転ホームランのような妙案を提示されるのかと思ったけど、どうしようもない方がリアルなんだろうと思う。
「かばん屋の相続」に出てきた兄弟の兄には腹が立つ。弟が大変良く出来た人で良かったと思う。
全体的にとても面白かった。

かばん屋の相続 (文春文庫)

かばん屋の相続 (文春文庫)

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