アイネクライネナハトムジーク

伊坂幸太郎著 2014年幻冬舎刊行
初出は「パピルス」「GINGER L.」など(2011年〜2014年)および書き下ろし。
以下の短編6本。

  • アイネクライネ
  • ライトヘビー
  • ドクメンタ
  • ルックスライク
  • メイクアップ
  • ナハトムジー

20年くらい時代を超えてリンクしてたりする。そこはいつもどおりとても上手。安心して読める。
特に「ルックスライク」が好き。最後のオチの部分なんてとてもステキ。
題名の『アイネクライネナハトムジーク』は“Eine kleine Nachtmusik”で「ある小さな夜の曲」とのこと。途中どこかで触れられていたけど思い出せない。
いつもどおりとても気になる言葉がいくつかある。

自分がどの子を好きになるかなんて、分かんないだろ。
だから、『自分が好きになったのが、この女の子で良かった。俺、ナイス判断だったな』って後で思えるような出会いが最高だ、ってことだ

何がきっかけになるかは分からない。すべての出会いを大切にしないといけない。また、誰かに評価してもらうのではなく、誰かの評価を気にするのではなく、自分で判断することが大事。

いいか、藤間、外交そのものだぞ。宗教も歴史も違う、別の国だ、女房なんて。
それが一つ屋根の下でやっねいくんだから、外交の交渉術が必要なんだよ。
一つ、毅然とした態度、二つ、相手の顔を立てつつ、三つ、確約はしない、四つ、国土は守る。
そういうものだ。離婚だって、立派な選択だ。
ともにやっていくことのできない他国とは、距離を置くほうがお互いの国民のためだからな

確かにそうかも。でも近くにいるからこそ良いところもいっぱい見えるはず。大事に夫婦であることを育てていきたい。
とても面白かった。

@2015年@図書館