避難所

垣谷美雨著 2014年新潮社刊行 書き下ろし
震災時の避難所生活の実態が描かれていると思う。
マスコミは綺麗に感動的な絵面を求めているが、実際にはもっと汚く本能のままの人が多い。
見たいモノしか見たくないだろうが、そんなにそんなに人の心の奥底は綺麗だと思っていない。
もちろん社会性があるのであからさまにそれらを表に出すことはないわけだが。

だけど…自分は不幸とは言えない。
言ってはいけない
だって避難所には八人家族の中でたったひとり生き残った女子高生もいたし、小さな子供を失った母親が何人もいる。
それに比べたら、自分はこれっぽっちも不幸ではない。

不幸にも差があったのも事実。
自分よりあの人はもっと不幸と思うことが、悪なのか善なのかはよく分からない。
でもそれを持って我慢しろと他人が言うのは変だと思う。
この本に出てくる避難所リーダー、舅、DV旦那はとても醜い。

前からあった問題が震災で鮮明になったってごどか

問題を先延ばししていた結果、震災で浮き彫りになったということか。
どうすれば良いのか分からないが、まずは現金なのかな〜ととても思う。
とても優秀な物語だった。

避難所

避難所

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