ダブル・フォールト

真保裕一著 2014年集英社刊行 初出「小説すばる」(2013年〜2014年)
若い弁護士モノの作品。依頼者に何か疑惑を感じながらも徹底的に依頼者のために弁護できるか。弁護した結果、不幸になったり、公にしたくない事実が明るみになっても、それでも弁護士の仕事に忠実でいられるかなど、とても面白い。中山七里作品の御子柴弁護士、リーガル・ハイの古美門弁護士、黛弁護士などを思い出しながら読んでいた。
この弁護士に絡む被害者の娘の積極性、どんな状況でも自分の力に変えていく姿勢はスゴい。

君は踏み台にされてるのよ。弁護士と会うことで、生きる知恵を身につけてくなんて、適切ながらあっぱれじゃない。君も好敵手を見つけたんだから、少しは成長しなさい

という言葉が印象的。
真相は全然予想していなかったし、とても面白かったのだが、タイトルに少し違和感。控訴審のところですでにダブルフォルトのような気がするのだが...また、途中のウジウジする部分が長過ぎるのと、最後の恋愛っぽいところ、表紙の画が不満ではあるが、全体的に良い作品だと思う。

ダブル・フォールト

ダブル・フォールト

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